二酸化炭素利活用、微細藻類培養などで幅広く連携
(一社)バイオサーキュラーエコノミー協議会の会員である㈱ミダックホールディングス(静岡県浜松市)と佐賀市は、「資源循環型社会の構築に向けた共同検討に関する基本合意書」を締結しました。排ガスから回収した二酸化炭素(CO2)を活用する微細藻類の培養など、脱炭素、GX事業の推進に向けて幅広く情報交換し、協力していきます。
産業廃棄物の収集運搬から中間処理、最終処分までを一貫して行うミダックグループの中で、ミダックHDは脱炭素社会の構築に向けて、焼却施設などで発生する排ガスからCO2を分離・回収して微細藻類の培養に有効活用する研究に取り組んでいます。抗ガンや抗肥満の効果が期待される「フコキサンチン」をターゲットに、これを産生する藻類の大量培養技術の開発などを実施、2024年からは佐賀大学農学部の川添嘉徳准教授と微細藻類からフコキサンチンを高純度で精製する技術の共同研究を進めています。
一方、佐賀市は2014年から清掃工場のごみ焼却排ガスから分離・回収したCO2を回収して産業利用する「二酸化炭素利活用事業(CCU事業)」を推進。回収したCO2は清掃工場周辺に誘致した企業によって微細藻類の培養や農業に活用され、2024年には世界で初めて持続可能な製品の国際認証である「ISCC PLUS認証」を取得しています。
こうした背景から、合意書では①廃棄物処理に関する技術検討②藻類培養およびCCUSの検討③GXおよび環境価値の創出に関する検討④各種事業性評価および次世代産業モデルの検討―について共同で検討していくことを確認。排ガスからのCO2分離・回収やその利活用など両者の事業に共通する技術課題などについて連携して取り組むことにしています。
基本合意書の締結についてミダックHD取締役の鈴木清彦氏は「脱炭素化の潮流は我々の業界にとって大きな発想の転換を迫るものである。今後は脱炭素化に付加価値を見出し、産業として成長させていく必要性も感じる。廃棄物処理と微細藻類は親和性が高く、環境・衛生保持の点で深い互恵関係にある。脱炭素社会の実現に向け、あらゆる切り口から双方の強みを融合し、シナジーを最大化させ新たな価値を創造していきたい」と期待を寄せます。佐賀市GX推進課は「ミダックHDがこれまで培ってこられた廃棄物処理の実績の中で、当市のCCU技術がどのように活用できるのかについて、共同で検討したい。この連携により、藻類をはじめとしたCO₂の植物利用が、一般廃棄物からの評価に加え、産業廃棄物からの評価にも広がることで、会員企業の皆様にとってもビジネスの幅が広がることを期待している」と話しています。

ミダックHDの微細藻類培養槽(左)と微細藻類の顕微鏡写真